何を今更って話なんだが、ゴジラファンの中には、ゴジラをある種のアイドルとして見ている人がいるような気がする。私もその一人なんだが、それに気づいたのは結構最近だったりする。
そしてそう考えて過去の作品を振り返ってみると実に合点がいく。
昭和シリーズは古い友達的意味合いもあるので、すべての作品で肯定的。ただ、『怪獣総進撃』で虐待されるキングギドラの絵はちょっとツライ。ギドラも私には敵方のアイドルなのだ。
『ゴジラ (1984年版)』は、人類のなすがままのゴジラで、ゴジラシリーズ全28作品の中で一番面白くないと感じる作品。
それ以降の平成VSシリーズは、格好いい、強いゴジラが帰ってきた、シリーズを重ねる毎にゴジラへの感情移入度も高まっていった、などの理由ですべてOK。
新世紀シリーズ、『ゴジラ2000ミレニアム』は、ゴジラは格好いいし、「おお~!」っと思うシーンも多々あるのだが、クライマックスであるはずの対オルガ戦が盛り上がらず、残念な作品になってしまった。
翌年公開の『ゴジラ×メガギラス
G消滅作戦』は作り手の開き直りもあり、ゴジラは縦横無尽の大活躍。特にお台場でのバトルシーンは私の一番のお気に入りシーンとなった。劇場へも上映期間中に12回も行ったし。
『ゴジラ モスラ キングギドラ
大怪獣総攻撃』は、登場怪獣達の設定がどうしても馴染めず、また、作り手には申し訳ないが、ゴジラとキングギドラが不細工で、アイドル映画として見た場合これはいただけない。
『ゴジラ×メカゴジラ』では、ハム太郎併映のせいで90分以内という時間的制約が災いし、中途半端な幕引きとなってしまったが、ゴジラも機龍も非常に格好良く、新世紀シリーズの中では一番多くのキャラクターグッズを買った。
『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ
東京SOS』は、ゴジラ、機龍に加え、成虫モスラの造型や操演での動きも素晴らしく、2年越しとなってしまったのは残念だが、物語もきちんと幕引きされていた。
『ゴジラ ファイナル
ウォーズ』は、本編がちょっとクドいが、大量発生した敵怪獣相手に八面六臂の活躍をするゴジラが楽しい。身長100mには見えないけれど…
で、ハリウッド作品で「Godzilla」という名前を使った二つの作品だが、1998年版は語るのも不愉快なのでもういいよ。
2014年版は…やっぱり格好悪い。でもゴジラをアイドルとして見ていない人達にはきっと面白い作品なんだろう。
怪獣映画でこんな特撮映像が観たかったと思っていた人は多いと思うし、実際私も、そんな映像を期待していた。だからこそ、あのデザインはないよ。ゴジラ型の怪獣だけど、ゴジラとして見た場合、良いと思えるパーツが一つも無い。一度は観たが劇場にはもう行かないと思うし、グッズも、パンフレットとフィギュア付ドリンクのみで終了。
続編が決まり、次回作にはモスラ、ラドン、キングギドラが出るかもしれないそうだが、今からどんな造型にされるのか、非常に不安だ。
そしてゴジラのように醜くイジられた怪獣達が、今後のスタンダードになるようなら本当に嫌だ。
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